3月2日午後 「期限切れ」の呪い

The receipt is expired. Sorry!

ぁあっはっはっはっ。なんですって？
レシートが有効期限切れですって？
なーに言っちゃってんの？
これはギリギリギリギリで作られた書類よ？

指し示された書類には、
２６　Ｓ．Ａ．　２５４９
ローマ字のＳ．Ａ．に見えるのは、タイ文字でＲ．Ｔのことだろう。たぶん。
でもわたしにはその略号が、何月のことなのか、わからなかった。
ビザ屋のおっちゃんもわからなかった。

それって、でも、何月かわからないけれど、それが間違って・・・
否。
・・・出た、これだ。２５４９。
今年、仏暦で、２５５０年だよ！
間違ってる、、１年間違ってる！！
日付印、回し忘れてるよ！

弁護士さーーーーーーーーーーーーーーん・・・
国籍を間違え、会社名を間違え、ノープロブレムって言ってたけれど、
日付、違うじゃん！それも１年！
有り得ない。有り得ません！
レシートには、タイ労働省のマーク。
どいつもこいつもどいつもこいつも・・・ッ
弁護士のくせに、、官僚のくせに・・・！！

アメージング・タイランド、聞き飽きた言葉がまた頭をよぎる。
その瞬間、脳内をぐるぐるしていた、
色んな疑問や不安や罵倒の言葉が
全部笑いに変わって、ふっ、と鼻から抜けた。

Ｓｏｒｒｙ！って言うおっちゃん。
いやいやいやいや、あなたのせいじゃない。
タイ語読めないよね、マレーシア人だもんね。

２６　ＦＥＢ　２００６ってあれば、幾らなんでも、わたしでも気付く。
タイ語の、それも略号を使われると、わたしにはお手上げ。
それじゃなくてもタイ語の書類は、それが何の日付なのかもわからない。
社長にチェックしてもらったんだけどなあ・・・
まさか、こんなところが間違ってるなんて、社長も思わないよなあ・・・
ビザ代行やに背を向けて、とぼとぼと歩く。
急に足が重くなった気がする。
わたしはつき返された書類とパスポートを持って、
国際電話をかけに、戻ったのだった・・・

ここ２年、「有効期限切れ」という言葉にとりつかれている。

海外滞在中に免許証が切れることがわかって、
前倒し更新したのを皮切りに、

パスポート。
滞在中にこれも切れるとわかっていたけれど、
ギリギリ１年以上期限が残っていたため、出国前に更新できなかったんだ。

そして、すぐに、
更新のために送ってもらった戸籍謄本。
すると、労働ビザを申請するのに今のパスポートがすぐいるから、
更新を待てと言う。

その間に、クレジットカードが突然使えなくなった。
期限はまだある。よくよく調べてみると、カードのランクが変わった為、
新しいカードが日本の実家に送られているとのを、
親がすっかり忘れていたため。
そりゃ、新しいカードを発行して何ヶ月も発てば、古い方は切れるよね。

そして、さあパスポートの更新、となった時、
謄本の期限が切れて、領事館にダメ出しされた。
大使館なら謄本いらないのに・・・！

新しい戸籍謄本を送ってもらっている間に、
パスポートが切れた。
１週間で国際郵便が届くはずが、１ヶ月以上かかる、
そう、ここはフィリピン、ボホール島。はっきり言って、ど田舎。

そうして、とどめが、出国許可証。
早く早くと急かされて、超忙しい中申請して取りに行ったのに、
いざ使う時になって、期限切れ。
申請した日に、もう出国日が決まっていたのにもかかわらず、
期限切れ。
出国日には期限が切れるのが明らかなのに、
申請に当たって、誰も何も言わない。
初めて申請するわたしは、そんなこと知らないし(泣)
すぐに取れ、明日取れ、と言われて、取りに行った結果が、
期限切れ。

そこでわたしの神経は、音を立てて切れてしまったのでした。

これ、すべてフィリピンにいた１年半の出来事。
フィリピンという、また特殊な場所で、
何か良く分らないものに取り憑かれてしまった・・・
２度あることは３度ある、じゃ、済まないくらい続いて。
そうしてわたしは日本に帰った。

来た。呪いだ。
そう思ったのは、だから無理もないと思う。
「有効期限切れ」がタイにまで追って来た。
しばらく、逃げられそうに、ない。